ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、膝の外側が痛くなるスポーツ障害です。長距離(マラソン)ランナーでよく発症することから、通称「ランナー膝」と呼ばれています。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)の主な症状は、膝の外側(やや上部)にある大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)と呼ばれる骨が出っ張った部分周囲に痛みを生じます。初期症状は運動中(特に膝を踏み込んだ時)や運動後に痛み、安静にしていると痛みが消えます。しかし、症状が悪化すると、歩行時や安静時にも膝の外側に痛みを感じるようになります。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)の主な原因は、荷重や下肢のねじれとオーバーユース(使い過ぎ)です。わずかに荷重のバランスや下肢のアライメントがねじれた状態でも膝の屈伸運動(ランニングやジャンプ)を繰り返すことで、太ももの外側についている靭帯(腸脛靭帯)と大腿骨外側上顆(膝の外側上方にある骨のでっぱり)が何度も擦れるようになり、腸脛靭帯の接触面が炎症(滑膜炎)を起こし、膝の外側にズキズキとした痛みが発生します。
grasping tes(グラスピングテスト)
膝を90°曲げた状態から、膝の外側上部2~3㎝(大腿骨外側上顆と腸脛靭帯の接触部)をご自身の手などで押さえ、膝を伸ばしていった際に痛みを誘発するかどうかを試してみて下さい。
膝蓋腱炎(しつがいけんえん)はジャンパー膝とも呼ばれるスポーツ障害です。
多くは、バレーボールやバスケットボールなどジャンプ動作を繰り返す競技や、ランニングやサッカーなど走る動作を繰り返す競技で、膝を酷使することにより起こるランニング障害です。膝のお皿(膝蓋骨)のすぐ下辺り(膝蓋腱)が痛む場合は膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の疑いがあります。
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鵞足炎は膝の内側(下方の脛骨の周囲)に痛みが生じるランニング障害です。
鵞足とは、膝を曲げたり伸ばしたりする動作に必要な縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はくきん)、半腱様筋(はんけんようきん) の3つの筋肉の腱(筋肉と骨をつなぎとめている線維組織)が、脛骨(けいこつ)の上部に付着している部分を指します。鵞鳥(がちょう)の足のような形であることから、鵞足と呼ばれています。この鵞足部分を押す、足に抵抗を加えながら膝を曲げる、膝を一杯まで伸ばすなどの動作で痛みを感じる方は鵞足炎の疑いがあります。
当院では、医師の診察、超音波画像検査やMRIなどでランナー膝(腸脛靭帯炎)の診断を行います。
診察では、上記誘発テストのほか、荷重のバランスやねじれなど、痛みの原因になる体の使い方の有無などを確認します。超音波検査で膝周辺の腱や靭帯の損傷や炎症の有無や程度を確認します。MRIで腸脛靭帯やその他痛みの原因の可能性(半月板や靭帯損傷など)周囲の炎症・損傷などを鑑別診断も含めて確認します。
※他院で患部のXp、MRIを検査された方は画像検査結果をCDでお持ちいただくことで検査の重複を防ぎ、時間やご負担を軽減することができますので必ずお持ちいただくことをお勧めします。
当院では、ランナー膝(腸脛靭帯炎)に対して、理学療法士が体の使い方のクセなどを評価し、膝に過剰に負担がかかっている原因を探り、ストレッチや筋力強化を指導させていただきます。必要であればテーピングや足底板の作成等も行い、根本的な原因を改善し痛みを軽減していきます。急性期の痛みに対しては高周波温熱治療(INDIBA)や超音波治療で患部の炎症を抑えていきます。
当院では、微細に損傷し治りきらないランナー膝(腸脛靭帯炎)に対して、PRP療法やPFC-FD療法といった治療法も行なっています。患者様ご自身の血液中に含まれる血小板を利用した再生医療で、海外では10年以上の実績があり、野球の田中将大選手や、大谷翔平選手が行なったことでも知られている治療法です。
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当院では、ランナー膝(腸脛靭帯炎)に対して、体外衝撃波治療も行っています。衝撃波を患部(膝)に照射することで除痛効果と組織再生が期待できる、整形外科領域では新しい治療法になります。体操の内村航平選手が、世界選手権前に取り入れた治療法としても知られています。当院では最新型「ディオリスSD1」による体外衝撃波治療が行えます。
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この時期を利用して、日ごろ抱えていたケガや痛みを完治させませんか?
当院では、職員全員を対象に隔週でPCR検査を行っております。安心してご来院下さい。
※また、職員の新型コロナウイルスのワクチン接種が2回完了しております(5/16時点)。
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