手首の痛み
(狭窄性腱鞘炎・ドケルバン病)

Stenotic tendonitis

手首の痛み(狭窄性腱鞘炎・ドケルバン病)

狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)とは、親指と手首をつないでいる(親指を大きく広げると、手首に出る)2本の腱「短母指伸筋腱」・「長母指外転筋腱」と、この2本の「腱」が通る2cm程度のトンネル状の「腱鞘」が炎症を起こし、手首に痛みを生じさせる「腱鞘炎」のことです。

手首を痛めた女性
  • 狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)のメカニズム

    手の親指に負荷をかけすぎると、親指を伸ばす働きをする「(短母指伸筋)腱」と広げる働きをする「(長母指外転筋)腱」と、この2つの腱を包むトンネル状の「腱鞘」とが擦れて炎症を起こし、2つの腱は腫れて太く、腱鞘は腫れて厚くなっていきます。そうなると、腱が腱鞘の中を移動するたびに、腱と腱鞘が擦れて、手首に痛みを生じさせます。これが狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)のメカニズムになります。

    狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)のメカニズムのイラスト
  • 狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)の症状

    手の親指を動かしたり広げたりすると、親指側の手首が痛くなる
    手首の親指側が腫れて痛みが出る
    物をつかんで動かすと、手首の親指側が痛む
    症状が悪化すると、手に力が入らなくなる
  • 狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)になりやすい人

    1.女性(女性ホルモンの変化の影響)

    ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)は、主に女性に多い疾患と言われています。ホルモン環境の大幅な変化の影響と考えられ、年齢別でみると、発症のピークが2回あると言われています。

    1-1.妊娠・出産期(20~30代)

    妊娠・出産期の女性は、「プロゲステロン」という、妊娠の維持に必要なホルモンが通常期よりも多く分泌されます。一方「エストロゲン」は減少し、通常とホルモン環境が大きく変化します。このプロゲステロンには、2つの腱を包んでいる腱鞘を収縮させるという作用も持っていることから、腱の滑りを悪くする原因の一つと考えられています。

    1-2.更年期(50~60代)

    更年期の女性は、卵胞ホルモンとも呼ばれる「エストロゲン」が、閉経に伴い急激に減少していきます。エストロゲンは、女性らしい体つきを作る働きや、髪や肌の潤いを保つ働きだけでなく、腱や関節を柔軟に保つという作用を持っているため、減少することで腱や腱鞘が炎症を起こす原因になりやすいと考えられています。

    2.手の親指や手首を酷使される方

    スマホを片手で操作する方(別名、「スマホ腱鞘炎」)
    パソコン(キーボードやマウス)を長時間使用される方
    ゲーム(コントローラー)で、親指を酷使される方
    料理人・美容師など手や手首を酷使される職業の方
    ピアノなどで指を酷使する楽器演奏者
    テニスやゴルフなど手を使うスポーツを行う方

    など、手の親指や手首を酷使している人は、「腱」と「腱鞘」に大きな負荷がかかり、炎症が起こりやすく、「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」発症の原因になりやすいと考えられています。 近年増加している、スマホ(スマートフォン)の使い過ぎによる腱鞘炎のことを、別名「スマホ腱鞘炎」と言います。

  • 狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)のセルフチェック方法

    ▼フィンケルシュタインテスト
    1.手の親指を内側に倒す。
    2.反対の手で親指を掴んで、小指側へ引っ張る
    1、2を行い痛みが増したら、狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)の可能性があります。
    フィンケルシュタインテスト